エントランス改修差別化
施工業者の競争が無くノウハウが体系化されていない
エントランスや共有部の改修ノウハウに関してはあまり競争が無くノウハウが体系化されていません。外構業者がまず少なく、施工してくれる業者を探すのに苦労するという点がまずあります。
それゆえに施工業者の言いなりになるケースも多いです。施工業者も物件の利回りを上げるために何をすればいいのかなんてノウハウはなく、個別の依頼に対応して終わりというケースがほとんどです。
不動産投資家も積極的に取り組んでこなかった分野というのも、またあまり進化がなくここまで来た要因かもしれません。
エントランスの改修を戦略的に考えてみる
エントランスの改修は物件の印象を変えるだけではなく、利便性を高める効果もあります。実例としては宅配ボックスの設置や、ゴミ等が散乱しやすい箇所を改修により清潔に保ちやすくする効果を出せます。
エントランス改修のメリット
- 賃料アップの可能性: 新しく美しいエントランスは、賃料を引き上げる絶好の機会です。入居者は魅力的な外観に対して多少高い家賃を支払うことに価値を感じます。外壁塗装を通じて、家賃をアップするチャンスを逃さないように工夫が必要です。
- 利回りの向上: エントランス改修により、物件の魅力が向上し、空き室率が低下します。これは、継続的な利回りの向上につながります。安定した収益を維持するためにもエントランス改修は効果的なツールになります。
- 長期的な投資: エントランス改修は、物件の寿命を延ばし、維持費用を低減させます。定期的なメンテナンスを行うことで、将来的な大規模な修繕や交換を回避でき、資産価値を守ります。
- 安全性の確保: 明るく清潔なエントランスは防犯効果としても重要です。防犯機能を高める設備の設置はもとより、明るいエントランスにする事で目立つ効果があり防犯性能を高める効果もあります。
- 競争力の維持: 周囲の物件と競争する際、エントランス改修は優位性を提供します。賃貸市場で目立つ存在となり、高い需要を維持しましょう。
エントランス改修のコストを下げるコツ
エントランス改修は専門知識と経験を要する作業です。また、施工している業者自体が少ない業種でもあります。通常の不動産会社ですと、工務店に丸投げをするケースが多いです。また、工務店も通常エントランス改修を行っていない工務店の場合はエントランス改修業者に丸投げをします。
当社はその多重構造によりコスト高を抑制するために、当社でエントランス改修の足場や材料手配し、当社が施工管理をすることでエントランス改修のコストアップを抑制しています。
- シミュレーション: 既存エントランスにシミュレーションツールを用いていくつかのパースを作成して色や設備のバランスを検討します。
- 設備提案: 防犯または利便性向上のためのツールを提案します。具体的には防犯カメラや宅配ボックス、簡易なエントランスロックの設置等です。
- スピード施工: 長期間のエントランス改修は物件の利便性を下げるため、退去者を増やすリスクがあります。また、入居者や周辺住民からのクレームにもつながりますので、長くても1ヶ月以内で完工をするスケジュールを組みます。
具体的にエントランス改修により、物件価値を引き出せた事例を見てみましょう。
宅配ボックスは必須アイテムになる *Before
言うまでもなくネット通販が生活の一部になった現代では荷物の受け取りが非常に大きな課題です。特に賃貸アパートや古いマンションでは宅配ボックスの設置が進んでいません。
分譲マンションのような高額なフルスペックの電気式の宅配ボックスを設置するのは非常にコストがかかります。ですが、ダイヤル式の宅配ボックスであれば比較的低コストでの設置が可能ですので検討を前向きにすべきです。
事実、インターネット上で検索条件で宅配ボックスという項目が出来ているくらいメジャーアイテムなので物件の差別化につながります。また、これはウォシュレットと同様で、一度「それがある生活」を経験してしまうと「それがない生活」に戻れないアイテムでもあります。
宅配ボックスは必須アイテムになる *After
こちらの物件では検討を重ねた結果、上記のようなダイヤル式の宅配ボックスを設置しました。世帯数に対して半分程度の台数があれば充分ですので、ここでは6台を設置しました。
宅配ボックスのメーカーに関しては鍵のメンテナンスやトラブルの保守も考慮して、国産性を推奨しています。タジマ等の業界でもメジャーなメーカーの物でもそれほど高額ではありません。
補足ですが、宅配ボックス以外にもこのマンションのエントランスでは、右側に見切れている掲示板も新しい物に交換しています。
スタイリッシュな掲示板ですが、費用は1万円程度の低コストなものを使用しています。コストをかけずにスタイリッシュなイメージに変えるにはこういった細かいものも含めて検討していきます。
無意味な工事は削減を提案する
この物件では見送ったエントランス改修工事もあります。そのうちの一つはエントランスのタイル張替えです。正直見た目にあまり影響がない割に既存も傷みがありませんでした。さらには入居者が工事中に出入りしづらい等の利便性も下げます。
そういった観点からオーナー様には見送りをお願いしました。結果としてはコスト削減にもつながり、できあがった写真を見る限りタイルが古いままでもあまり気にならない結果となりました。このような引き算の視点でも工事提案する事で利回りを上げる支援の一助をさせて頂きます。
エントランスの植栽改修が美観も保つ *Before
こちらの物件はゴミ回収場所にも指定されているため、エントランス周辺がゴミ収集日を守らない人のゴミが散乱していることがよくありました。
そこで、自治体にも協力を仰ぎ、ゴミ回収カゴやネットも新しいものに交換をしてなるべく建物の端の位置にゴミ回収場所を移動させてもらいました。
ただし、それだけでは効果は限定的であるため、思い切って外構の改修を行い、ゴミを散乱させづらい雰囲気を作り出しつつ、物件の付加価値を高める戦略まで進める事にしました。
エントランスの植栽改修が美観も保つ *After
エントランス外構にはまず両面に防水ルーバーを設置します。さらに夜間が暗かったため、新たに植栽に屋外照明を差し込み、夜間でも明るくしました。
そして古い植栽を全て撤去して、コニファー植栽を植え替えました。結果として外観がきれいになっただけではなく夜間の明るさも出きたため防犯性とゴミを不法に投棄する人を抑制する効果も生みだしました。
変えられないと思いがちなモノを変える *Before
なんとなく当たり前にあって変えられないと思っているの物がエントランスの扉と看板です。特に看板に関しては物件名を変える事ができる事もあまり知られていません。
当社の施工される不動産投資家様の中にはエントランスの改修と併せて物件名の変更も実施される方も多くいます。
また、エントランスドアに関しては高額なため、あまり積極的に交換は推奨していませんが交換をすることにより物件のイメージを一気に変える効果もあります。
変えられないと思いがちなモノを変える *After
こちらの物件ではエントランスのドアと看板の両方を交換しました。特にエントランスのドアに関しては分譲仕様に似せたものにこだわって変えました。
分譲仕様に似せたものとは、本当に分譲仕様のエントランスドアにすると非常に高額になるため、木目模様の無い比較的安価なエントランスドアを用意してもらいました。
そのエントランスドアに防水ダイノックシートを貼り、分譲仕様風のエントランスドアを作りました。採光が入らないと日中もエントランス内の照明をつけたままにしておく必要があるため、ガラスを入れました。
実際にやる前は費用対効果で考えるとやらないという判断をすべきだとオーナー様にお伝えしていましたが、やってみると雰囲気が圧倒的によくなりエントランス全体重厚感が出ました。
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